アンデスの薬用植物 − つづき

 
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● アンデスの薬用植物 − つづき ●

現在では毎日の食生活に欠かせないジャガイモ、とうもろこし、トマトなどの野菜も南米の山間部が原産です。インカ帝国の人々は、60種以上のジャガイモを栽培していました。今でもペルーで栽培されるジャガイモの種類(300種類と言われる)とその消費量は世界一を誇ります。

これらの植物も、かつては、ジャガイモの汁を関節炎の治療に使ったり、とうもろこしの毛(コーンシルク)を膀胱炎などの排尿困難に効果的な煎剤として薬用価値が認められていた、れっきとした薬用植物でした。

どんな植物でも、自らを成長させるエネルギーと栄養分をもっていますから、栄養成分や薬効成分を含みます。毎日食べている野菜も効果の程度にこそ違いがあれ、れっきとした薬用植物です。ここから医食同源の考えが生まれます。

一方、薬用植物も使いようによっては毒になります。麻薬「コカイン」の原料として西洋で悪名高い「コカ」ですが、アンデスでは悪心や嘔吐、歯痛、喘息の薬として重要な人々の生活とはきっても切り離せない薬用植物です。

人々はコカの葉を一日中かみ続けることで疲れを癒し、ビタミンを補給し元気に生活しています。コカ茶は高山病にもよく、ペルーでは紅茶の横に並べられて売られているポピュラーなものです。上手に使えば体によいものであるはずが、人間が生み出した化学薬品が、薬用植物を毒に変えてしまう残念な一例です。


1492年にコロンブスがカリブ海に到達してからスペインとポルトガルによる中南米の植民地化がはじまりましたが、スペイン人は金銀や戦利品とともに未曾有の植物をヨーロッパにもたらしました。前に述べたジャガイモ、とうもろこし、トマトなどの野菜は既に世界中で栽培され、各地の土壌に適応して世界中の食卓をにぎわせていますし、また強い薬効のあるキナ皮(キニーネを精製する)などは発熱、マラリヤ、梅毒、凍瘡、その他の重い病気の治療薬として薬品化され、使用されるようになりました。

アンデスの自然の奥深くには、まだまだ日本ではなじみが浅い、しかし栄養価値の優れたスーパー植物が自生しています。マカやキャッツクローのように注目を浴びて海外で大ブレイクした植物はその中のほんのわずかで、ほとんどの植物はまだ地元で親しまれている域にとどまっていて、研究さえも満足にされていません。

当アンデス自然食品研究所では、そのような植物も含めてアンデスの薬用植物に学問の分野から関わる人々を援助し、優れた植物をインターネットを通じて日本の方々にご紹介、普及させることを目的とした活動を展開しています。

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